“豊の国”大分県は各地の風土に根差した郷土料理を生み出している。その料理を、本場・大分生まれの麦焼酎『知心剣』と巡る旅。
第14回は佐伯市の「くじゃく」を紹介する。
美しいリアス式海岸の風景と浦々で揚がる海の幸。何より元気いっぱいの人々が魅力となって、多くの観光客が訪れる佐伯市蒲江。地域に古くから伝わる「くじゃく」は、見た目も華やかなハレの日のごちそう。本場・大分生まれの本格麦焼酎『知心剣(しらしんけん)』が、香り高く飲みやすい味わいで楽しい気分をさらに盛り上げる。
くじゃくは、表面に食紅を付けたゆで卵を、緑などに色付けたエソのすり身でくるんで作る。半分に切った時の模様は、内側から卵の黄身の黄色、白身の白、食紅の赤、すり身の緑と広がる鮮やかな多層構造。クジャクの羽にある目玉のような模様にそっくりだ。この料理を考え出した人の発想力に驚かされる。
「正月のおせちや運動会の弁当に必ず入っている一品。大人も子どもも大好きな味です」と話すのは河内地区の安部文子婦人会長(78)。ブルーツーリズムなどにやって来る観光客にも、珍しさやおいしさが好評という。合わせるのは、“一生懸命”を表す大分の方言から名前が付いた『知心剣(しらしんけん)』。原料選びから全てにおいて“しらしんけん”こだわって造る本格麦焼酎が、エソの上品なうま味と卵の甘味を膨らませ、麦の香りと一緒にすっきり味わわせてくれる。
ブリなどの出荷が最盛期を迎え、年の瀬の慌ただしさでにぎわう海辺の町。なじみの顔が集まってちょっと一息。食卓には海の幸と一緒に水割りの『知心剣』が並ぶ。窓の外では豊かな海が、寒風に静かに波立っている。おせち料理の重箱の一角を、くじゃくが華やかに彩る正月はもうすぐ。
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