“豊の国”大分県は各地の風土に根差した郷土料理を生み出している。その料理を、本場・大分生まれの麦焼酎『知心剣』と巡る旅。
第23回は大分市の「クロメ料理」を紹介する。
豊後水道の冬の味覚・クロメ。強い粘りが特徴のこの海藻は、1月15日から3月15日までの2カ月限定で漁が解禁される。刻んでみそ汁に入れてよし、酢の物にしてよし。ドロドロッとした食感が食欲を増す。合わせるのは本場・大分生まれの本格麦焼酎『知心剣(しらしんけん)』。
魚と同様、荒波にもまれて味が良くなるクロメ。大分市佐賀関の沖に浮かぶ高島周辺は潮の流れが速く、良質のクロメの産地として知られている。「佐賀関のクロメは粘りが多く、えぐみがなくておいしいんですよ」と同市食生活改善推進協議会佐賀関支部の戎千代美支部長(60)。採ったクロメは船上でくるくる巻いて棒状にし、竹串で留める。料理する時は棒状のまま刻んで食べる。
碗に入れたクロメにみそ汁を注ぐと、黒っぽい色をしていたクロメが鮮やかな緑色に変わった。新芽ならではの色。かき混ぜて粘りが増したみそ汁をすすると、熱々の汁が体中に染みわたる。かむとかすかに潮の苦味も効いてきた。“一生懸命”を表す大分の方言から名前が付いた麦焼酎『知心剣(しらしんけん)』は、その名の通り原料選びから造りまで“しらしんけん”こだわった本格派。麦本来の香ばしく甘い味わいが、潮の味わいを豊かに膨らませていく。
新年を祝い、なじみの顔が集まった。食卓には地元で取れた新鮮な海の幸がずらり。『知心剣(しらしんけん)』を片手ににぎやかに話が弾む。今年も健康で元気に暮らせますように。互いの幸せを祈りながら、冬の夜が更けていく。
【企画・制作】大分合同新聞社 ビジネスコミュニケーション本部