“豊の国”大分県は各地の風土に根差した郷土料理を生み出している。その料理を、本場・大分生まれの麦焼酎『知心剣』と巡る旅。
第13回は日田市の「いとこ煮」を紹介する。
大分県の西の端、三方を熊本県に囲まれた日田市上津江町。山間の集落・白草は、都会の人がイメージする山里そのものの桃源郷。小川のせせらぎや虫の声、野に咲く草花、鎮守の森―。全19戸が力を合わせ、美しい風景を守っている。
いとこ煮は集落に受け継がれてきた郷土料理の一つ。合わせるのは本場・大分生まれの本格麦焼酎『知心剣(しらしんけん)』。麦本来の香ばしく甘い味わいが特徴だ。“いとこ”に見立てられるのは、秋の刈り入れ時期に畑で取れる根菜類の里芋と大根。出来上がりは赤飯のようだが、白草ではおやつとして食べられる。砂糖を入れて甘くしたり、カボチャやクリ、サツマイモを入れたり。家庭ごとの味があるのも面白い。
集落の女性グループ「しらくさ郷の華」の高畑芙紗子代表(72)が、「小豆をさやから取り出す晩に食べると、夫婦がけんかせず仲良く過ごせるという言い伝えがあります。昔はよく食べました」と笑顔で教えてくれた。
その素朴な味わいを余すところなく堪能させてくれるのが『知心剣』。大分の方言で“一生懸命”を表す名前の通り、原料選びから始まる全工程に“しらしんけん”こだわって造る本格麦焼酎だ。すーっと延びる麦の味わいが、大地の栄養を体の隅々に行き渡らせていく。
秋も深まった白草の夜。いつものように住民が誰かの家に集まって、夜なべ談議に花を咲かせている。美しい白草を支えているのは、現代では奇跡に近いともいえる住民の結束力。卓に上った水割りの『知心剣』が、その結び付きを強めるのに一役買っている。
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